映画『女と男の観覧車』を観た件

映画

ウディアレン好きとしては、映画館で予告を観るたびにその公開日を楽しみにしていた『女と男の観覧車』
原題は『Wonder Wheel』

ワンダー・ホイール (Wonder Wheel) は、ニューヨーク市ブルックリン区コニーアイランドにあるデノズ・ワンダー・ホイール・アミューズメント・パークに建つ高さ45.7メートル (150 ft)の観覧車である。

舞台は1950年代のコニーアイランド。
最初のシーンですっとその時代のそのコニーアイランドに引きずりこまれます。
ケイトウィンスレットの演技が素晴らしい。
ジャスティンティンバーレイクのイケメンぶりを楽しめます。
そして、それ、あるある!の場面があちらこちらに見えて共感します。
例えば、義理の娘への嫉妬のあまり、食器の洗い物を命じた尻からそれを却下して自分するという、その矛盾。

ケイトウィンスレットが演じるジニーが40歳の誕生日を迎えるシーン。
こんなはずではなかったという自分の人生への思いと現実に抱えるいろいろな問題、
自分の誕生日をイヤッホーと単純に喜べる年齢ではないイライラ。
夫の連れ子である20代の義理の娘のその若さへの嫉妬。
この現実から逃げるためジャスティンティンバーレイク演じるミッキーに焦がれていく感じが刹那的でかつ痛い中年女性(中年といっても40歳なので若い)を演じるケイトウィンスレットの熱演ぶりに、「うわ、引くわ~」と思いつつも圧倒されます。

ミッキーと対峙したときのジニー。
場面ごとの光の使い方にほれぼれとします。
ケイトウィンスレットが本当に美しい。
そして滑稽すぎて胸が痛くなります。
ひとり芝居のような長いセリフ。
ジニーは言います。
「女は年を取るといろんな役を演じるのよ」と。(確かそんな意味のセリフ)

御年82歳になってもこんな映画を作れるウディアレン監督に敬意を表さずにはいられません。
女性の強がりと男性の弱さ。
自分の思いを放火で紛らせる子ども。
ケイトウィンスレットの圧巻ぶり。
そしてコニーアイランドの美しさとボラボラ島への憧れ。

ウディアレンの新作映画を観ると、今までのウディアレン作品を反芻したくなります。

先日観た映画『ワンダー君は太陽』の中でオギーのお姉ちゃんがコニーアイランドの砂浜に座っているシーンがありました。
自分の居場所に不安を感じたときにコニーアイランドに行くわけですが、そんなときに行きたいと思える場所があるというのは羨ましい。
そんなコニーアイランドに行ってみたいものです。

最後に思うのは、
ジニーが50歳ならまた違っていたでしょう。

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