被成年後見人が亡くなったときの対応について

プチ介護

義母は確か2012年の秋ごろにの申立てをしました。
に連れて来た義母の生命保険の住所変更をするのに、認知症の義母には契約変更の手続きが不可とのことで成年後見人を立ててください、と言われます。
今、思えば、馬鹿正直に義母の状態を伝えなくても良かったのかもと思ったりしますが、後々、義母名義の不動産(義父の義母への愛情ゆえ、住んでいた家の名義を義母に変えていた)売買のときには役に立ったので良かったのかもしれません。
義母死後の遺産分割の手続きにおいて、不動産がなかったのは助かりました。

生命保険というのはなかなか融通が効きません。
解約するわけでもなく住所変更だけなのに、認知症と言ったばかりに、成年後見人が必要となったわけです。
ちなみに義父の場合(この時点では義父は契約手続きは可能でしたが)大阪に移ることを自ら生命保険会社の担当者に話をしていたこともあり(今、思えば、保険会社によって対応は違うのかも知れません。義母のそれとは違う生命保険会社ですから)、私が義父に代わっての住所変更は問題なくスムーズでした。
思うに世間では、多少の認知症ならそれを明言せず、住所変更程度なら家族の代筆でコトは進められているのかも知れません。
それはあちらサイドも暗黙の了解のような気がします。
認知症や字が書けませんなど本人の動きが鈍い旨をひと言でも発するのは考えものだと、今さらながら思うこの頃です。

が始まったのは2000年のようです。
義母の成年後見人申立てをした2012年でもまだそれほど認知されていなかったように思います。
私の所感ではその頃は家族が成年後見人になるケースの方が多かったように思います。
私が成年後見人申立てをする際に義父母ホームに常勤している社会福祉士さんに助けてもらうつもりが、社会福祉士さんも成年後見人申立ての経験がなく、結局、私が作った申立書を今後の参考にしたいと所望されました。
司法書士、弁護士、社会福祉士あたりが第三者として成年後見人になれる人たちです。

この頃から成年後見人の財産使い込み事件が新聞にたびたび載るようになります。
あたかも成年後見人になっている家族が使い込んでいるような風潮です。
記事によると弁護士が使い込んでいるんですけど。
そうこうすると、成年後見人が使い込まないように後見制度支援信託の手続きが始まります。
任意といいつつ強制です。
拒否すると成年後見人の退任命令が下されます。
ひとたび、家族が成年後見人から外されると、弁護士や司法書士が成年後見人になるという流れです。
義母も2015年に後見制度支援信託の手続きを開始します。
たかだか、信託銀行にお金を預けなおしするだけなのに、裁判所指名の弁護士にその作業を依頼しなければならず、義母の預貯金から40万円強のお金が弁護士報酬として引き出されます。
信託銀行との契約ぐらい私でもできます。
それをわざわざ弁護士に委ねなけばならない国の施策です。
非合理的すぎます。
多分、このときに弁護士から見て、この成年後見人に引き続き、成年後見人のをさせるのはよろしくない等判断が下されれば成年後見人が弁護士へと変わっていたはずです。
家族は無料で成年後見人の仕事をしますが弁護士は報酬を取ります。
家族でも成年後見人の報酬を要求できますが、そのために裁判所にお伺いを立てなければなりません。
面倒くさいので無報酬の家族が大半だと思います。
後見制度支援信託は被成年後見人の財産を守るという表向き意義とともに、国による弁護士への仕事斡旋、また、信託銀行(国指定の信託銀行への預け直し)へお金を集める、そんなウラもあるのではと思えて仕方ないです。
ていうか、成年後見人制度自体が士業への仕事斡旋なのかもとさえ思います。

成年後見人の大義は被成年後見人の財産を守るです。
それさえ、意識すれば面倒くさいだけで年1回の事務報告も大したことはありません。
義母名義の不動産は2014年に売買しています。
後見制度支援信託の手続きの1年前です。
後見制度支援信託のときの弁護士には「奥さんが不動産の売買もやったん?」と嫌味を言われました。
裁判所に出した不動産売買の申立書は、今見ても我ながら絶品の出来です。
成年後見人の大義を認識した内容であれば問題なく、それを意識して売買するのが合理的である理由をつらつらと綴ればよいのです。

そんな成年後見人も義母の他界により晴れて退任となります。
成年後見人はの法務局で登記されています。
義母の死後、成年後見人終了登記の申請を行います。
死亡診断書を添えて終了登記の申請書を東京の法務局に送ります。
最後の事務報告は毎年、報告書を送付している家庭裁判所に2ヶ月以内に送らなければなりません。
成年後見人の大義は(何度も言いますが)被成年後見人の財産を守る(適切に被成年後見人のために使う)ですから、被成年後見人死亡のあとは最終の財産(前回、報告からのお金の動き)と成年後見人は相続人にそれを明示し渡したか、相続人が成年後見人から財産を受け取った証等を郵送します。
裁判所指定のこの書面を見ても、家族が成年後見人になるケースより第三者が成年後見人であるのがデフォルトのようです。
成年後見人≠相続人の書面に成年後見人=相続人の場合の但し書きがあります。
義母のときより今は家族が成年後見人になるのはハードルが高くなっているように思います。
成年後見人の仕事はあくまで被成年後見人の財産を適切に管理することなので、被成年後見人死後の相続云々は関係ないといったところでしょうか。
それら書面を大阪の家庭裁判所に送付し、1ヶ月経って家庭裁判所から音沙汰がなかったら問題なく受理されたとの認識になるとのこと。
毎年の事務報告も音沙汰なかったら問題ないスタイルでしたが、最後ぐらい成年後見人終了のお知らせとかの葉書を寄越せよと思うのは私だけでしょうか。

成年後見人申立てからおおかた9年ほど、成年後見人の仕事をしました。
家庭裁判所から音沙汰がないので、無事に終了したものと思われます。
成年後見人制度の利用はお勧めしませんがなかなか貴重な経験をしたと思っています。
2度と利用はしませんけど。

コメント

タイトルとURLをコピーしました