先日の義母、4年前に実父と、葬儀を終えました。
実父も義母も夜中に呼び出しがあり、その数時間後に息を引き取りました。
最期の処置のあと、「葬儀屋さんに連絡してください」と言われます。
すでに葬儀屋さんは決めていますよね、といった風に簡単に言われます。
先祖代々、檀家となっているお寺さんがあるとか、すでに仕組みができているのならいいのですが、我が家の場合、実父も義父も長男ではなく、先祖代々の、がありません。
私はといえば葬儀を出す側は初めての経験です。
ご本人たちに伝えると縁起でもないと叱られたかも知れませんが、いつか必ずやらなければならないことです。
そのときに慌てふためかないよう、事前に準備していました。
悲しみに暮れていようが暮れてなかろうが、葬儀屋さんへの連絡はスムーズに行わなければなりませんでした。
さて、10年近く、遡ります。
義母も実父も自分のお葬式代ぐらいという親心なのか生前、互助会システムの積み立てを行っていました。
実父の面倒を私が看るようになってから、義父母を大阪に連れてきてから、それぞれが掛けていた互助会を私は解約します。
理由は私が動くのに段取りしやすい葬儀屋さんを選ぶのが合理的と考えたからです。
義父母が契約していたのは広島の葬儀屋さんなので解約は必然です。
2人ともまさか大阪で最期を迎えるとは思ってもいなかったことでしょう。
義父母も実父も自分の葬儀費用を積み立てるのに、いろいろと思いがあったことでしょう。
どんな思いがあったのか確認していないのでわかりませんが。
それを簡単に解約してしまった私です。
互助会を解約した私は葬儀屋さん探しを始めなければなりませんでした。
そんなとき、ある葬儀屋さんから私に仕事の依頼が来ました。
会員向けカルチャー(バスケット作り)講習の依頼です。
義父母ホームから徒歩5分もかからない葬儀屋さんです。
私は講習を終えたあと、ことのついでに私が抱えている現状(その時点で要介護3人、要支援1名)を話し、葬儀について相談に乗ってもらいました。
ここなら私が動きやすいし、何より、義父母ホームから近いのでワーカーさんたちがお別れに来てもらえるのでは、仕事の合間に立ち寄ってくれるのでは、と思ったわけです。
半ば無理から大阪に連れてきた義父母です。
最期のお別れのとき、少しでも多くの人に来てもらいたいと、親族よりお世話になったホームのワーカーさん達に来てもらえるようにと、思います。
家族葬のときの概算見積りや実父の入院先の有馬まで迎えに来てもらえるのか、その場合の費用は?亡くなったときの段取り等、気になることをいろいろ教わります。
葬儀屋さんとの接点なんて、人生で数えるほどだと思います。
何がきっかけになるかわかりません。
せっかくのご縁なので、私は私たちの両親4人をここでお世話してもらおうと決めます。
この葬儀屋さんは1回の葬儀に1万円納めることで会員割引を適用するシステムになっています。
実父が亡くなったときは夜中の4時過ぎに電話をかけ6時ごろに有馬まで迎えに来てもらいました。
確か、10キロ圏内のお迎えは葬儀費用に組み込まれているようですが実父の場合は別途9万円ほどかかりました。
実父は最後、病院できれいに身体を拭いてもらったあと白装束を着せてもらいました。
私に何か問うことなく、それは一連の儀式のように、粛々と執り行われます。
全てが終わると「葬儀屋さんに連絡を」と言われます。
義母は病院ではなくホームで最期を迎えました。
実父のときのように白装束を着せられるのかと思っていたら、「着せたい洋服を選んでください」とワーカさんに言われ、タンスの中から義母がよく着ていた洋服を選びました。
義母も綺麗に身体を拭いてもらってから洋服を着せてもらいます。
そして、やはり同じように「葬儀屋さんに連絡を」と言われました。
実父と義母は年齢も年齢で、状態も状態だったので、亡くなる前に次の段取りを考えられる状況です。
私は久しぶりに葬儀屋さんに連絡を入れ、状況を説明していました。
実父が亡くなったのは11月23日(祝)の1時半です。
葬儀屋さんの会場と火葬場の空き具合とお寺さんのスケジュール調整の結果を持って、家族とのスケジュール調整をしその日の夜にお通夜、翌日朝一(火葬場の空きに合わせて)9時からのお葬式でした。
かなりスピーディーで、実父が亡くなった翌日の午後にはすべてを終えて家に帰っていました。
義母の場合、金曜日の5時に亡くなり、火葬場が日曜日しか空きがないとのことで土曜日の夜のお通夜、日曜日の10時にお葬式です。
金曜日一日、義母は葬儀屋さんに預かってもらい、夜中の呼び出しから葬儀屋さんでの打ち合わせを終えた私たちは一旦、自宅に戻り、ゆっくりと用意をします。
実父のときは葬儀の打ち合わせの後、お湯灌の儀式までの数時間で自宅に戻り、喪服の用意やお寺さんに渡すお布施の用意とバタバタしたのを覚えています。
結局、実父のときも義母のときも私たちが仕事を休んだのは1日だけです。
実父も義母も最後は私の手を煩わすことがないようにしてくれたのだと思います。
義母の葬儀は、前回の実父の葬儀を基本にいろいろ選択します。
消費税が8%から10%に上がった点と食事(通夜振る舞いと精進落とし)の数の違いはあれど、トータルでほぼ同じぐらいの金額でした。
葬儀費用の世間の相場はよくわかりませんが、私的には納得のいくお値段です。
亡くなったご本人たちはどう思っているかわかりませんが。
義母や実父の年齢になると(まして義母の場合はコロナ禍)葬儀に参列してもらえる人も限られます。
地元で自治会長とか、そんなことをしていた人なら沢山の方がお偲びに足を運んでくれるかもしれませんが、義母も実父も(ご本人の意向は知りませんが)家族とお世話してくれたホームのスタッフさんだけで充分という、私の勝手な判断でシンプルに済ませました。
実父のとき、次回のために1万円を納めたことを思い出した私は、今回も義母の葬儀後、前回同様、1万円を納める旨を伝えます。
すでに2回、利用されているので1万円は不要で、会員割引を適用しますとのありがたいお言葉を頂戴しました。
家族葬やこじんまりした葬儀が多いと思われる昨今、葬儀屋さんもシステマチックでなく、ご縁を大切にしてもらえるのは嬉しいです。
実父のとき、お湯灌の儀式の存在を知り、長男と娘とで立ち合いました。
今回も当然するものと思っていたのですが(同じ葬儀屋さんなので)、対応するスタッフによって違うのか、「お湯灌の儀式はどうされますか?」と尋ねられました。
「父と同じようにお願いします」と、今回は息子2人と私が立ち合います。
喪主は娘と孫を向かい行って不在です。
長男に喪主代わりをさせます。
義母が三途の川を無事に渡れるよう、六文銭を胸元に忍ばせる役目を彼は粛々とやっていました。
実父の葬儀のときには大学生だった息子2人ですが、今回の義母の葬儀では2人とも社会人です。
思いのほか裏方でええ動きをしていました。
じいちゃんのときに一度経験しているので、喪主側の人間としてどう動いたらいいのかがわかっているようです。
親族対応やその他もろもろを息子2人が自ら動いてくれたのは本当、助かりました。
孫に見送られて実父も義母も満足だったことでしょう、と、自己満足の葬儀を終えたあと、私は事後処理の段取りへと駒を進めます。まだまだやることが続きます。
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