一人で座ることさえままならなかった父が
リハビリのおかげで
ヨチヨチと歩けるようになっている。
週2日か3日は父の病院に行き(片道1時間ちょいかかります)
午後からのリハビリに付き合い帰ってきます。
このリハビリがへ〜〜こんなことをするねんやと
オモロ〜〜てな感じ。
意味がないようでも意味があるのやろうなぁと思いながら
横でじっと見ているのですが・・・
お父ちゃん、あかんわぁ。
リハビリ先生もあちこちの患者さんを見るから
一人の患者にじっとついてはらへん。
ちょっと席をはずしたすきに
お父ちゃん、ずるしよる。
色つきのホースを丸めた輪っかを右のスタンドから左のスタンドに移す。
麻痺している左手でそれをするわけですが、
ヨチヨチと歩けるまでなった進歩が見える体でも
細かい作業はなかなか。
指の先まではまだ力が入らない状況なので
輪っかを掴むのに苦労するわけですわ。
それに左半身がやられているので、
左側のものを認識する力も衰えている。
その辺でなかなか思うように掴めない輪っか。
先生が席をはずしたら周りを見て、他の先生の目がないのを確かめて
自由が利く右手で2,3本掴んで移す。
「うわっずるしよった!ずるしたらあかんやん!」と軽く叱咤するが
なんせいうても父親ですわ。
そないきつくも云えません。
まぁ、いらついてずるする気持ちもわからんでもないしなぁ。
2,3歳時が遊ぶような木のパズルをしたりもします。
これも左側に意識が及ばず、残っていくのです。
残っていくことにさえなかなか気づけずにいる。
それでも日に日に少しずつの改善が見受けられるので
午後からのリハビリ終了の15時までは
ずるしないかどうか監視する私でございます。
それが年をとったからか
まぁ何かにつけてよ〜泣きはるのですわぁ。
「リハビリ、つらいねん」って泣き
「ほんまお前はよ〜やってくれる」と泣き
「早く帰りたい」と泣き
孫をみて「えらい大きなって」と泣く。
大きなってってこの前、会うたばっかりやんと突っ込みそうになるが
「せやろ、大きなったやろ」と云うとく。
父の病院に行くには、地下鉄からJR東西線から神戸線に乗り換える。
JRを捨てたあとは尼崎の市バスです。
これがまぁ、いつも満員御礼。
満員御礼ではありますが、
正味お金を支払っているのは私だけやんってな感じの
乗客面々です。
70歳だか75歳だか以上の年嵩の諸先輩方は無料パスをお持ちでいらっしゃる。
無料なんですぜぇ。
尼崎ん中、市バスが網羅しているから園田の競馬場で馬と戯れるのも良し、
尼崎センタープールで競艇に見入るのも良し、
近松門左衛門のお墓のある広済寺(高校の先輩の自宅)や田能遺跡で
タイムスリップするも良し。
阪神尼崎の三和商店街でホルモン焼きを食べるも良しですわぁ。
いくらでも遊べますぜ。
無料パスさえあれば・・・
そして思うのです。
お父ちゃんもなぁ、また市バスの無料パスであちこち行けたらいいのになぁ・・と。
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