思い出したように
「こんなとこに入ってもうて、年金使ってしまって
ちぃ〜ろ(娘のこと)に着物を買ってやろうと思ったのに、買われへん」と
泣きが入るわが父。
まぁな、初孫やし娘の娘やし
かわいい〜てしゃあないというところ。
思い出すのは
次男の出産時、予定日がまだまだだというのに
陣痛が始まった私は即入院の24時間点滴という過酷な夏をすごしていた。
そこは実家のほん近く、
去年父がリハビリ病棟に入院していたという関西ろうさい病院。
当然、娘は実家に預けられていた。
その2歳すぎの娘をベビーカーに乗せてやってくるわけだ父が。
私に会いたいやろうと、
私が会いたがっているやろうと思ってのことだが
会わずにいたらそれはそれですむのに
会うと別れがつらくなるというもので
病室から娘を連れてでた父だが
エレベーターに乗る段になった娘がおかあさ〜んと泣き出す。
こいつがまた大きい声で泣く。
ベッド上に座ることすら許されない私の耳にも聞こえてくる。
だから連れてくるなっていうたのにと
思っていたら
病棟婦長さんの声。
「おじいさん、お子さんは別れ際がつらくなるから
連れてきたらあきませんって
この前も云うたでしょ!!!」と
エクスクラメーションが3ツほどつくぐらい怒鳴られている。
ほれ、云わんこっちゃあれへんがな・・・とベッドの上の私。
そんな思い出がよみがえる。
じいと孫だったのだ。
そりゃ〜かわいいわなぁ。
成人式の着物なぁ。
おじいはアテにならへんということで
さてどうしたものか・・・
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