昨日の有馬。
いや、最近は病院の職員送迎バスを利用させてもらって
阪神は芦屋駅前から芦有道路経由で有馬温泉病院まで行く。
送迎バスなので阪急バスの山田山から10分ちょっと山道を登るということもなく
病院入り口までバスが運んでくれる。
とてもラクなのだが、
この芦有道路がクセモノ。
初めて乗ったときは冬のお天気のいい日で
山を登りきったと思った瞬間、目の前に広がる景色に
仙人になったような気分を味わい
なかなか楽しいバス旅行だった。
それが昨日は、私の体調がイマイチやったのか
あのくねくね山道(キレイに舗装されている)にやられたようで
気分が悪くてしかたがない。
やっとの思いで病院についたが
そこから父のいる、3階までの階段で足元すくわれそうになる。
こんなとこで倒れたらシャレならんでと思いながら
昼食待ちの患者さんが集合しているディルーム、
父のそばにたどりついた。
「あかんわぁ、今日はめちゃバスの酔うたわ」というと
「体調わるいんか・・・」と父
自分が元気なら
「体調悪いのに来んかていい」というたところが
唯一面会にくる私が来なんだら
寂しぃ〜てかなん父は
体調が悪そうな私にも腹を立てている。
誰のせいやねんと思う私も
ここはぐっとこらえながらも
「私がおらんようになったら誰も来んで」と嫌味をいうてやる。
こんな嫌味が言えるのは親子ならではというとこで
お互い、何を言おうが大して堪えてへんし根にも持たんというところ。
そんなこんなで
父の昼食に付き合い、
有馬駅前のパン屋さんで買ったクリームパン(父用)とドーナツ(私のお昼)を食べようと
ディルームを出ていく。
父はディルームで食べたがるが
幼稚園児と化したジジババの集団の中
父一人、クリームパンをたべさせるわけにはいかない。
どこぞで
「わしも食べたい」とか
「わてにもちょうだい」とか
幼稚園児ごとくに泣かれてもかなん。
父は父とて
幼稚園児の精神状況で
ちょいと自慢しながら食べたろかという根性丸見え。
わが父ながら、聞き分けのないことぬかすなよと思うばかり。
てなことで車椅子を無理から押して部屋に戻って
クリームパンを持たせる。
介護病棟の昼食ときたら
私も遠慮しますといった感じで
白い御飯が大好きな父はいつも白い御飯だけパクついて
お箸をおいた瞬間
「お腹が減った」とのたまう。
なので最近はクリームパンを買っていく。
お昼を終えたばかりでも
「あんなんじゃ出るもんも出ん!」といいながら
クリームパンをぱくつく父。
「あんなぁ、芦屋のクリームパンやから高いねん。
もうちょっと味わって食べ」というのに
次から次へと口にほうりこむ。
まだ食べたりないような顔をしているから、
私のドーナツも半分持たせてやる。
ドーナツは咽喉にひっかかるから
「ゆっくり食べや。誰も取らへんねんし」というのに
ぱくつくもんやから
むせてヒィヒィ言い出し、私はびっくりや。
え〜〜
勝手にパンを食べさせて窒息でもされたら
シャレならんやん・・・と内心あせり
父の背中をとんとんたたきながら
お茶の用意をする。
口では
「死んだらあかんで」って。
ヒィヒィいいながらごっくんして
お茶飲んだらケロっとしている。
頼むわ。びっくりさせんといてや。
「だから言うたやろ!芦屋の高いパンや。
ゆっくり味わって食べって」と父にシャウト。
ほんま・・・頼むで・・・と
横を見ると
ディルームからまだ戻っていない
隣のベッドのおっちゃん。
たしか糖尿病とかってことやのに
サイドテーブルに蜂蜜が入った容器がおいてある。
ええんかいな・・・とよそごとながら心配する。
廊下からは毎度のことながら
軍艦マーチが聞こえてくる。
向かいの筋のおばちゃんがいつもかけてはる。
介護病棟はなんでもありか・・・と思いながら帰りのバスに乗る。
やんちゃな我が父が目立たんことに安堵する、やんちゃな娘の私・・・
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